PIRKA SIRI ◆◆◆ |
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●9/アイヌ伝統工芸展「ウウヌコルタラ三世代展」
2004/12/13日の土曜の午後から見に行ってきました「アイヌ伝統工芸 ウウヌコルタラ三世代展」。 名古屋市の中区役所内にあるギャラリーで展観された、今回の会の一番の特徴は、なんといっても遠山サキさんの「お仕事」にとどまらず、孫の代にあたる方々の作品も展示されることにあります。 孫、といっても、すでにそのお孫さんたちにも子供がいます。つまりサキさんには「ひ孫」がいらっしゃって、そのひ孫さんが好む好まざるに限らず、サキさんの精神・技術を伝承する下地はすでにそこまで伸びている、ということになります。 さて、エレベーターで8階まであがると、そこは複数のギャラリーに仕切られていて、その中の第10展示室が目指す展示会場になっている。 展示室に入ると「アイヌ民族の歴史と現在を考える会・なごや」の方々が受付にいらっしゃった。受付を一応済ませてしばし展示物を観覧する。 ギャラリーのスペースいっぱいに作品が展示してあり、市松状に展示してある衣服で、壁にはすきまがないほどである。ともかく圧巻、だ。 サキさんのの技術を施された作品が、しかもそれを受け継いだ三世代にわたった作品が集まって展示されることはそうないだろうと思う。東京でもないのではなかろうか。そして、二度とないかもしれない。サキさんと親交を温めてきた「考える会」だからこそ出来た催しだと思う。 ◆衣装 ●チンジリ・・・・・・着物 ●アッツシ・・・・・・着物 ●アミプ・・・・・・・着物 ●カパラミプ・・・・・着物 ●モウル・・・・・・・肌着 ●半纏 ●陣羽織 ●作務衣 ●ベスト ●帯 ●マタンプシ・・・・・はちまき ●レクトゥンペ・・・・首飾り ●チカミコテ・・・・・手甲 ●テクンペ・・・・・・手甲 ●ホシ・・・・・・・・脚絆 ◆道具類 ●サラニプ・・・・・・袋 ●チタラペ・・・・・・蒲のござ ●チェプケリ・・・・・鮭の皮の靴 ●エニヌイペ・・・・・枕 ●マンタリ・・・・・・前掛け ●トゥムシ・・・・・・木製のハンガー ●マキリ・・・・・・・小刀 ●イパプケニ・・・・・鹿笛 ●パスイオプ・・・・・箸入れ ●トンコリ・・・・・・5弦の楽器 ●アッツシカラペ・・・アッツシを織る機織機(のミニチュア版) ●タペストリー ●ショルダーバッグ ●コースター ●銀細工 ●ブレスレットなどの彫金 ●刺繍 ●木彫り ●裁縫針入れ など、様々な刺繍や彫刻など、多種多様な拡がりをみせてくれている。残念ながら写真撮影ができなかったのでここでは紹介できないが、どれも素晴らしい出来栄であった。 サキさんの娘の一人の方は「こんなことになるなら、もと真面目に取り組んでおけばよかった」と笑っていらっしゃったが、なんのなんの、鑑賞には重十分すぎるくらいの作品郡なのだ。 どれもこれも素敵なのだが、個人的には「トゥムシ(木製のハンガー)」が気に入った。ここに展示されているものは実際にハンガーとして使うものでは無く、あえて実需にするなら子供用の服を掛けられる程度の大きさのもので、この大きさは子供の遊び道具として使うものなのだそうだ。ハンガーでいう肩のかかる部分にはゆらゆら揺れる飾りがついていて、子供が遊んでそれを取る(折る)と、「この子も随分大きくなって、力をつけたものだ」と喜ぶ=というものなのだそうだ。 彫刻や揺れる細工もすばらしいが、子供の発育を喜ぶ、という思想そのものが素敵に思える。 さて、この階には他の個展やグループ展も開かれていたが、正直、盛況なのはこの三世代展だけであった。新聞(中日新聞12/8・12/10付や朝日新聞など)などで取り上げられた効果もあったかもしれないが、それにしても多くの方々に見に来てきていただけて、我が事のようにうれしく思った。 |
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